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HRテクノロジー

人的資源を有効に活かすHRテクノロジーとは

人的資源を有効に活かすHRテクノロジーとは

最近しばしば聞かれるようになった「HRテクノロジー」は、先端デジタル技術の有効活用によって人事関連業務の効率を高め、生産性を向上させるソリューションです。 そもそもHRテクノロジーとはどのような技術を指しているのか、その基本から説明していきましょう。

HRテクノロジーとは

「HRテクノロジー」のHRは“Human Resource”の略です。Human Resourceは直訳すると「人的資源」すなわち「人材」を意味します。HRテクノロジーの定義はまだ定まっていませんが、一般的には「従来の人事業務を含めた人材マネジメント全般をより効率的化し、 生産性向上や働き方改革といった目的の実現をサポートするさまざまな技術」と考えられています。
テクノロジーの進化により、従業員個人の手作業が多かった人事業務の効率と効果を上げる多様なソリューションが登場してきました。 さらに最近はクラウド型のアプリケーションサービスやビッグデータ解析の環境が整い、スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスの普及によってデータの集約も容易になっています。 そこにAI(人工知能)が登場することによって、大量のデータを業務改善や新たな価値の創出に役立てることが可能となりました。 デジタル時代を迎えた現在、人事部門にとって、テクノロジーを活用した業務最適化と人材マネジメントはもはや必須のものとなっています。
金融の世界の「フィンテック」や教育の「エドテック」をはじめ、テクノロジーと融合した新たな概念がさまざまな分野で登場していますが、HRテクノロジーもそれらと同じく、 人事業務にテクノロジーを融合したものです。アメリカでは人事業務の領域にITを活用することが当然のように浸透しており、日本企業においても導入する企業が増えているのが現状です。

求められる背景とトレンド

HRはもともと、勤怠管理や給与計算をはじめとする人事業務全体を表す概念でした。その意味では、デジタル時代を迎える以前から、すべての企業がアナログの手法によって(紙に書くことによって)人事業務をこなしてきました。それが1990年代中盤以降のパソコンの普及により、表計算やデータベースといったパソコンソフトに置き換えられていきます。すでにほとんどの企業が、人事業務をこうしたアプリケーションを使って実施していることでしょう。つまり、人事業務のデジタル環境への移行自体はすでに達成されているのです。
ただし従来の人事業務は、デジタルを導入するといっても、従業員の手作業に頼る部分が圧倒的に多く、属人的に進められる傾向が強い部門でした。HRテクノロジーは、デジタルで人事業務を行うという発想をさらに一歩進め、最新のテクノロジーを使ってより効率的な作業を実現するものです。
では、かつての人事業務とはどこが異なるのでしょうか。HRテクノロジーは、一つは上に書いたように従来の人事業務の非効率性を解決する技術であること、そしてもう一つは、データを管理活用することによって人材マネジメントに活かせる技術であること、この2点が特徴です。
日本の産業はかつて、製造業が中心でした。工場で同じ規格の製品を大量生産する製造業では、すべての従業員が同じように働き、均一の品質を生み出すことが生産性の観点から最も効率的でした。
ところが高度経済成長時代を経て、次第に第三次産業が主流となっていきます。現在は、GDP(国内総生産)の約75%をサービス業に代表される第三次産業が占めているといわれます。サービス業で求められるのは均一の品質だけでなく、多様な顧客に喜んでもらうためのサービスをいかに創出するかです。
そこで必要になったのが、従業員それぞれの個性と能力を活かせるような人材マネジメントです。組織運営における人材活用の重要性が認識され始めたことに加え、テクノロジーが発達したこともあって、HRテクノロジーが注目されるようになりました。

どのような技術があるのか

実は、HRテクノロジーとひと口にいうものの、そこには多種多様な技術とソリューションが存在しています。なぜなら、人事業務にも採用から教育、評価、異動・配置転換、後継者育成、さらには給与・人件費や労務管理までさまざまな側面があるからです。
HRテクノロジーで使われる代表的な技術としては、これまでのオンプレミス型とは異なったクラウドでのデータ共有とアプリケーションサービス、ビッグデータ解析、AI活用などが挙げられます。こうした技術を利用し、より最適化された人事業務を行っていくためのテクノロジーがリリースされています。
元となるデータは、従来のデータベースや表計算ソフトなどで集積したものはもちろん、文章・画像・映像などの資料も活用できます。さらにはスマートフォンに搭載された各種センサーやカメラ、IoT機器によってデータを集めるという方法もあります。

HRテクノロジーを導入するメリット

企業がHRテクノロジーを導入するメリットは、ここまでに見てきた課題を解決できること、すなわち従来の属人的な人事業務にまつわる非効率を解消できることに加え、データを活用したより効果的な人材活用マネジメントが可能になることです。
たとえば労働生産性の向上という観点では、集まったデータの処理をアプリケーションで自動化することで、従来のように従業員個人が単純作業に人的リソースと時間を費やす必要がなくなり、そのぶんをより生産的な業務に振り分けることができます。
また、従業員の業務に関するデータを集め、効率が高まる時間帯を分析することで、業務を適正化し、残業を減らして、働き方改革につなげることも可能です。
さらには、人材データを有効に活用することで最適な採用を実現したり、客観的なデータを評価に取り入れることで戦略的な人事を実践できます。個人の能力や適性にフィットする人事異動・配置転換に役立てられるだけでなく、教育や後継者育成で近年注目されているタレントマネジメントにおいても、HRテクノロジーを使った分析を活用することが可能になるのです。

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