働き方改革

テレワークが「働き方改革」を推進できる3つの理由

テレワークは、日本での一般的な働き方とは異なる先進的な働き方として、長年取り組みがおこなわれてきました。日本では1984年頃から取り組みが報告されており、すでに30年あまりの歴史があります。時間や場所にとらわれないテレワークは、現在、注目をされている「働き方改革」を推進するうえで、重要な役割を果たすことを期待されています。

働き方改革とは

政府が提言する一億総活躍社会プランでは、「あらゆる場で誰もが活躍できる、全員参加型の社会」をめざしています。一億総活躍社会の実現には、これまでさまざまな事情で就労できなかった、能力と就労意欲のある人が働けるようになるための「働き方改革」が必須です。
働き方改革はワークスタイル変革とも呼ばれ、非正規雇用、長時間労働、単線型キャリアパスといった、これまでの働き方の課題を解決する、新しい働き方をめざしています。こうした働き方改革を実現するための取り組みのひとつとして注目されているのが、テレワークです。テレワークによる柔軟な働き方の導入により、就労できる人を増やすと同時に、前記の課題を解決することが期待されています。

テレワークが「働き方改革」を促進できる理由

労働力の供給量増加

地方在住者が首都圏の企業で就労しようとした場合、首都圏のオフィスでしか働くことができなければ、転居が必要となります。しかし、転居できない事情を抱え、首都圏の企業で職に就くことができない人は少なくありません。テレワークが導入されることで、転居できない事情を抱える地方在住者が全国どこの企業でも働けるようになります。
また、従来は勤務する場所や時間が限定されていたため、介護や子育てのために休職や離職を余儀なくされ、復職も難しい状況に置かれた人も少なくありません。テレワークにより、個人のスタイルに応じて仕事と生活の折り合いをつけるワークライフバランスを実現できるので、介護離職者や子育て中の女性なども、働くことが可能になります。
このように、従来は働くことができなかった、就労意欲と能力がある人が柔軟に働くことができるようになるため、労働力の供給量が増大することが期待できます。

業務効率化

テレワークの導入によって、自宅や最寄りのサテライトオフィスで働くことが可能になるため、通勤時間や拠点間の移動にかかる時間を削減して有効活用することができます。また、営業職は顧客先への直行直帰を組み合わせることで、より業務を効率化して顧客訪問回数を増加させることも可能です。
こうしたテレワークの実現のためには、遠隔地での業務が可能となるように、紙文書の電子化や、配布物の電子データによる送受信推進など、環境を整備する必要があります。結果として、情報へのアクセスが迅速化し、移動時間の削減と相まって、業務の効率化が促進されるのです。

労務管理・業績評価の整備

テレワークの導入により、上司と部下が同じ場所で働くとは限らなくなります。特に在宅型テレワークでは、上司が部下の働きぶりを直接見ることができなくなるため、これまでの基準のみで評価を下すことが難しくなる場合があります。そのため、テレワーク勤務者が労務管理や業績評価で不利な扱いを受けることのないよう、勤務状況や業務のできばえ(量と質)をどのように評価するか、就業規則の見直しも含めて、仕組みを整備する必要があります。
また、テレワークにおいても通常の労働時間制に加えて、フレックスタイム制、みなし労働時間制、裁量労働制も活用することができます。テレワークの導入をきっかけに、が就業規則の整備を進めることも可能です。なお、就業規則に社内教育や研修制度の定めがある場合には、テレワーク勤務者についても就業規則に規定する必要がありますので、教育や研修でもテレワークにより不利な扱いを受けるおそれはありません。

テレワーク・デイとは

テレワーク・デイは、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府が、東京都、経済団体、企業等と連携して、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた、「働き方改革」として展開する運動です。これは、2012年ロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会がおこなわれた際、交通混雑でロンドン市内の移動に支障を来さぬよう、同市内企業の約8割がテレワークを導入したことにならっています。「テレワーク・デイ」と定められた7月24日は、東京大会の開会式が予定されている日です。テレワーク・デイの参加団体は、始業から午前10時半までの交通機関や道路が混雑する時間帯に一斉にテレワークを実施します。
総務省による推計では、初のテレワーク・デイとなった2017年7月24日には、927の団体、6万人あまりの労働者が一斉テレワークに参加しました。
テレワーク・デイをきっかけに、ワークライフバランスの実現に向けてテレワークのトライアルをおこなった企業や、すでにテレワークをおこなっている企業のなかには、テレワーク・デイを契機にトライアルを拡大した企業もあります。ある企業では2,500人以上がテレワーク・デイに参加し、自宅やサテライトオフィスなどで業務をおこないました。7割以上の人が通勤ラッシュの回避や通勤時間の削減により疲労軽減を体感し、8割以上の人が今後テレワークを活用したいと考えたとのことです。
そのほか、参加企業のコメントでは、「組織として働き方を考える契機となった」「朝の通勤混雑が避けられた」「通勤時間の削減で浮いた時間を育児や自己啓発に使えた」という肯定的な評価がある一方で、「業務の性格上できない社員をどうするか」「2020年までの3年間でどう定着させるか」という課題認識も示されました。

テレワークが実現する新しい働き方

ここまで見てきたように、テレワークの導入により、勤務する場所と時間の自由度が増します。また、同一労働同一賃金の実現に近づき、非正規雇用者の待遇が改善される可能性があります。働き方が多様化している現在、テレワークを導入して働き方改革を推進することにより、業務効率の改善や有能な人材の確保が可能になります。さらに、長期的にはCSR(企業の社会的責任)・企業イメージ・従業員満足度の向上によって、導入した企業の企業価値が向上することも考えられます。今後、ますます働き方は多様化していくことでしょう。生産性や企業価値の向上をめざすためには、テレワークがもたらす新しい働き方の導入を検討する必要があるかもしれません。

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