タレントマネジメント
タレントマネジメントが注目される理由とは
企業を取り巻く、内外部環境は大きな変化が生じています。これらの変化から生じる経営上の諸問題に対して、多くの企業は従来の管理型の人事制度や労務管理では、企業存続や発展が難しいという問題意識を抱えています。そこで、その問題を解決できる「タレントマネジメント」に大きな注目が集まっていることをご存じでしょうか。「タレントマネジメント」を導入することで、競争に打ち勝つ活力ある強い組織が作れます。
企業を取り巻く環境の変化とは
企業を取り巻く環境は、外部環境では国内の低成長、企業のグローバル化、少子化問題に起因する中長期的な労働力の不足、外国人の採用、異業種や同業種提携、スマートホン・SNS・クラウド化などのIT技術の進化など激しい変化が起きています。
また、企業内部に目を向けると、雇用形態多様化、社員のロイヤルティー低下、年功序列崩壊と成果主義への移行、女性の活用、解雇規制緩和や残業代ゼロ法案検討などが起きています。
海外企業との競争では常に変化のスピードを求められ、成果主義の導入によって、結果の出ないうちに見切りをつけて配置転換した結果、パフォーマンスが低下するといったことも少なくありません。変化が複雑に絡みにあう現代においては、組織の目的を達成するためには、組織の目的に合った人材を育て、適切の人材を配置する必要があります。その目的達成に効果的なのが「タレントマネジメント」です。
タレントマネジメントとは
タレントマネジメントとは、簡単に言えば企業の経営戦略や企業を取り巻く環境に合った人材の発掘、育成、活用を図って、かつ社員個々の能力・スキルを把握して可視化し、組織の目的を実現させることです。
「タレントマネジメント」をもっとも必要と考えているのは、ビジネス現場の最終的な意思決定権者の事業部長、部長クラスであることが分かっています。つまり、組織の目的を達成しなければならない最終責任者がもっとも強い意識を「タレントマネジメント」に注いでいます。「一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会」の2013年度の調査によると、日本において「タレントマネジメント」の導入済み、導入準備中、導入検討中の企業は14%ですが、今後、この数字は大きく伸びていく可能性があります。
「タレントマネジメント」が必要とされる3つの理由
では、「タレントマネジメント」が必要な理由とはなんでしょうか。大きくは3つの理由が考えられます。
1.環境の変化・価値観の多様化に対するスピーディかつ適切な対応
環境や価値観の変化・多様化はスピードが速まり、その変化に気づくことに遅れると、従来よりもビジネスできる期間が短くなっていることから、参入市場でシェアが高くても安心できません。また、新規参入にあたっても適切なマーケティングをできる人材の選定を間違う可能性があります。そのため、常に環境の変化・価値観の多様化などに対応できる人材のマネジメントが求められています。
2.終身雇用制崩壊・雇用形態の多様化への対応
終身雇用制度の崩壊によって、雇用形態が多様化・流動化によって技能・技術・ノウハウの蓄積が難しくなっている現状で企業の長期的な成長には、有能かつ企業に必要な人材の発掘・育成や適材適所をしていくことが必要です。
3.中長期的な労働力減少への対応
中長期的に労働力が減少していく中、社員のキャリア開発と適材適所をより的確に進めることで、社員のロイヤルティーを高め、社員の能力を発揮させやすくしなければなりません。
「タレントマネジメント」は組織を成功に導き企業の課題を解決
高い業績を実現している企業は、業績が低迷している企業と比較すると「タレントマネジメント」の導入を2倍以上の割合で導入しているという「タレントマネジメント」の導入が先行している海外の調査報告があります。
海外ではCEO(最高経営責任者)自らが、「タレントマネジメント」に強い関心を寄せています。経営環境の変化が速く、激しい現代において、企業の継続的な発展、成長のためには「タレントマネジメントが重要なキーワードになっています。