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セミナーレポート

リシテアユーザ座談会 ~エンゲージメント3.0~ 第2回
仕事と組織へのエンゲージメントをベースにしたセルフマネジメントで企業価値を高める

日付 2019/01/17
参加者 企業の人事部門リーダー 12名
ファシリテーター 株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
日付
2019/01/17
参加者
企業の人事部門リーダー 12名
ファシリテーター
株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸

日立ソリューションズでは、人事総合ソリューション「リシテア」のユーザ企業様を主な対象に、「エンゲージメント」をテーマにした座談会を2018年12月~2019年3月にかけて実施しております。
近年、人事部門の課題は、制度の改善やオペレーションの充実から、より戦略的な施策実施へとシフトしてきています。とりわけ、従業員とのエンゲージメント、ホールネス、セルフマネジメントという概念が、企業の大小を問わず重要となってきており、そのための組織体制づくり、チェンジマネジメントが、人事部門にとって重要課題になってきております。
本座談会では、エンゲージメントについての深い知見をお持ちの研究者の方、先進的な取り組みをしておられる企業様をゲストに迎え、リシテアユーザ企業様の現場でのさまざまな課題・取り組みを共有し、エンゲージメントを高めることによって、企業価値を高める方法を見出していきたいと考えております。
今回は、2019年1月17日に開催された第2回の内容をレポートいたします。

ゲスト紹介

島津明人氏 北里大学 一般教育部人間科学教育センター 教授
早稲田大学第一文学部、同大学院文学研究科卒業。文学博士。臨床心理士。2017年4月より現職。「ワーク・エンゲイジメント」「ストレス対策」「ワーク・ライフ・バランス」をテーマに、企業組織における人々の活性化・メンタルヘルスを研究するとともに、さまざまな企業のエンゲージメントへの取り組みを支援している。

松田光憲氏 株式会社オズビジョン 執行役員事業推進部長
IT企業のエンジニアや、株式会社はてな の人事・総務部長などを経験し、株式会社オズビジョンでは事業推進部長として組織開発全般に携わる。オズビジョンは、新しい組織のあり方を紹介した書籍「ティール組織」に、価値観の浸透やホールネスを重視した経営の事例として、唯一紹介された日本企業で、話題となっている。

小能拓己氏 株式会社アカツキ 人事企画室WIZ HEARTFUL領域リーダー
インターネット調査会社で、広報や営業、マーケティングリサーチなどに従事し、2014年に株式会社アカツキに入社。新卒採用などの職務を経て、現在は人事企画室で、主に企業文化や価値観を社内に浸透させるセクションでリーダーを務める。

株式会社アカツキ 小能拓己様 講演 
ホールネスを重視し、社員がハッピーになれる 組織のために人事部門が取り組んでいること

座談会の冒頭では、株式会社アカツキの小能拓己様に、同社での取り組みについてお話いただきました。

アカツキ社は、「A Heart Driven World.」を社会ビジョン(夢みている未来の社会)、「Make The World Colorful.」をミッション(私たちが存在する理由)に、2010年の設立以来、モバイルゲーム事業とライブエクスペリエンス事業を中心に事業を展開してきました。そして、2016年に東証マザーズ上場、2017年9月には東証一部上場と、順調に成長を続ける一方、「らしさ」と「価値観」の共有に重きを置いた経営を実践し続けています。具体的には、全社員に「アカツキらしさ」が浸透するように、週礼や社員合宿、CEOトーク会のようなさまざまなイベントを実施、また、企業としての価値観を明文化した社内誌を毎年発行するなど、小能様が所属するチームを軸に積極的な取り組みをされているそうです。

同社では、「アカツキらしさ」を「自分らしさを大切にする」ことと捉え、社員の個性を大事にしています。そして、「何が自分にとって自分らしい状態なのか」、「その状態と仕事の接点はどこにあるのか」、対話する機会を多く設け、常に自分自身が考え、周りとも共有できるようにしています。また、「成長」と「つながり」の2つを大切にし、常に自分のスキル面、人間としての成長を考え、それが周りとの関係性の中でどのように実現し、どのような価値を持っているかを、それぞれが自問自答しているとのこと。これがアカツキ社の企業文化であります。

では、このような企業文化を醸成するために、同社ではどのような取り組み方をしているのでしょうか。特徴的だったのは、システム開発の手法でもある、アジャイル、スクラムといったプロジェクト運営スタイルを取り入れ、さまざまな施策をトライ&エラーで実施しているところでした。そこでは、基本的に2週間という短い期間で目標を定めて活動し、結果の仮説検証を経て、次の改善を行うというサイクルが行われます。また、各施策が、「知識として知る」、「自分自身が体験する」、「他者と分かち合う」、という一連のプロセスでデザインされ、効果的に企業文化を定着させる仕組みになっているところにも、同社の工夫が見て取れました。

このように、小能様の講演では、アカツキ社の先進的な取り組みとその企業文化が紹介され、参加企業の方々も興味深く聞いておられました。

ディスカッション1 エンゲージメント先進企業と一般企業との違いは何か

前回ご講演いただいたオズビジョン社に続き、今回のゲスト企業アカツキ社にも、従業員エンゲージメントに関する先進的な取り組み事例をご紹介いただきました。この両社に共通しているのは、

  • 若手の起業家が立ち上げたオーナー企業である。
  • インターネット系サービスの業種である。
  • 創業して10年前後という比較的若い会社である。
  • 20~30代の若い人材が中心となっている。
  • 従業員数は200人前後の規模である。

  • といったことの他、社員一人一人の幸福や自己実現というものを、企業の価値観の軸に置き、その浸透にとても力を入れていることが挙げられます。両社ともに、採用から日常のマネジメント、そしてさまざまな社内イベントを一貫した価値感の下で行い、相当な費用と工数をかけているようでした。

    一方、当座談会にご参加いただいた企業は、

  • 製造業や金融、IT業などの業種である。
  • 創業数十年あるいは100年超の企業である。
  • 従業員数は数百から数千人の規模である。

  • という風に、企業属性としては、アカツキ社、オズビジョン社とは異なる要素を持つ企業ばかりでした。この対比の中、ディスカッションは大いに盛り上がりました。

    そんな中、参加者からアカツキ社の取り組みについて、「素晴らしい取り組みではあるが、なかなか真似することは難しい」という声が上がったため、この、真似することが “難しい”とは、どのようなことを指すのか、皆で議論を掘り下げました。
    その結果、真似することが ”難しい”こととは、「企業の価値観を社員の末端まで浸透させること」に集約するということが見えてきました。比較的規模の大きな企業では、セクションごとに文化も違い、個人の価値観も世代によって大きく異なります。したがい、従業員規模が大きいほど、価値観や方針、戦略などを全社的に浸透させることは物理的に難しくなるようでした。

    もちろん、オズビジョン社もアカツキ社も、人材の多様性というものは強く意識しています。ただ、企業として共通すべき価値観を守りながら、個人の自分らしさも大事にする。この相反するように見える2つのことを、同時に、しかも積極的に実現しようとしている点が、他の企業と比較して特徴的でした。さらに、この2社に共通していることとしては、「自分たちが大事にすべき、共有すべき価値観とは何なのか」を具体的な言葉にしていること、また、訓示のようにトップダウンで刷り込むのではなく、社員同士が「ああでもない、こうでもない」と対話を繰り返しながら、結果的に見えてきたものを改めて言葉にしていることであると思われました。
    このディスカションでは、従業員エンゲージメント先進企業とそれ以外の企業との違いが垣間見え、そこからさまざまな示唆が得られました。

    ディスカッションの様子

    ディスカッション2 
    価値観を共有することは、エンゲージメントを高めることに結びつくのか

    それでは、個人の自分らしさを大事にすることと、価値観や経営理念を全社員で共有することが、自分自身、仲間・環境、組織へのエンゲージメントを高めることに効果的なのでしょうか。続くディスカッションでは、これをテーマに議論を行いました。

    まず前提として、そもそも「エンゲージメント」に関し、各社が抱える課題がどのようなものなのかを整理しました。具体的には、付箋紙を使ったミニワークショップを行い、参加企業各社が、「エンゲージメント」というキーワードで解決しようとしている課題が何か、改めて共有しました。この時、「本座談会参加へのトリガーとなった課題は何なのか」という問いかけに対し、整理の軸として切実度のレベル分けを行いつつ、参加企業の皆様に回答していただきました。その結果をまとめたのが【図1】です。

    【図1】本座談会の知見を通して解決したい課題

    ここから、もっとも切実度の高い課題として、「若手人材の離職」、「若手人材のモチベーションの低下」が共通しているとわかり、これについてディスカッションを行いました。離職や、モチベーションの低下の理由は、個別にさまざまありますが、傾向としては、若手人材が、組織、あるいは仲間・環境と十分にエンゲージできていないと、各社は感じているようでした。

    ディスカッション3 
    管理職タスクとしてのマネジメントから、仕組みとしてのマネジメントへ

    では、この若手のエンゲージメントを高めるためにはどのようにすればよいか。これを最後のテーマとして、皆でディスカッションを行いました。その途中、「若手人材のエンゲージメントを高めるために、もっとも影響力を持つのは現場の管理職である。」といった声があがり、次第に議論はマネジメント力の強化に関する話に移っていきました。
    そこでは、仕事や部下の管理と言った基本的なタスクを高いクオリティで実践することだけが管理職の役割ではなく、企業としての価値観を自ら体現することも含まれるのではないか、といった意見が交わされました。ある参加企業では、企業理念をいかに体現するかというテーマでグループディスカッションを行い、マネジメント力を強化する取り組みを行っているとの紹介もありました。
    また、従業員に、企業理念、企業価値に沿った行動を促すこともマネジメントの役割だとするならば、それは、多忙を極める管理職個人だけでなく、会社の制度、仕組み、社員全体の働き方、すべてで担う必要があるのではないか、そうすることで初めて、そこで働く人材は、組織や仲間・環境、そして自分自身へのエンゲージメントを高めることできるのではないか、そんな議論が行われました。

    ディスカッションの様子

    次回の座談会では、自分自身、仲間・環境、組織という3つのエンゲージメントを高めるための、仕組みとしてのマネジメントがどうあるべきかを、議論していきたいと思います。

    勉強会レポート(総括)ダウンロード

    日立ソリューションズが主催した人事勉強会のセミナーレポート
    を総括版として資料にまとめました。