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人事労務管理コラム

ホワイトカラー・エグゼンプション

【3-2】ホワイトカラーのモラル向上、生産性向上に必要なこと

ホワイトカラー・エグゼンプションが、早ければ2016年4月から施行されることになります。これに対しては、残業代がゼロになることから、長時間労働が助長されると懸念する声も多く挙がっていました。

しかし、この制度には「労働生産性のアップ」や「残業代の支給でできる社員の賃金が低く、出来の悪い社員の賃金が多くなるという矛盾の解消」、および「残業代目的のために不必要に行われる残業代のカット」などの目的があります。

日本の産業構造が第二次産業の製造業から第三次産業にシフトし、雇用形態の多様化やモノが売れないという時代には、ホワイトカラーの生産性を上げていくことが重要な課題です。そこで、ここでは、ホワイトカラーのモラルと生産性向上について、何が必要なのかを考えていきます。

ホワイトカラーのモラル向上、生産性向上に必要なこと

日本の国際的な労働生産性ランキング

労働生産性とは、要は労働の効率を示す指標のことです。公益財団法人日本生産性本部の2014年度のレポートによると、1人当たりの労働生産性は、日本は2013年度が73,270ドルで、これはOECD(経済協力開発機構)加盟34カ国中、22番目に位置しています。

3位のアメリカの115,613ドルに対して、3分の2弱しかありません。時間当たりの労働生産性も、日本は41.3ドルで、OECD加盟34カ国中の20番目とやはり下位のほうに位置しています。4位のアメリカの65.7ドルに対して、同様に3分の2弱しかありません。

ホワイトカラー・エグゼンプションの論議とともに、仕事を働いた時間ではなく、成果で評価する考え方が主張されています。ホワイトカラー・エグゼンプションは、現時点では「金融ディーラー」や「アナリスト」などの高度な専門職層に限定されていますが、後に一般の社員層にも適用されていく可能性が非常に高いと考えられます。

ホワイトカラー・エグゼンプションの法案が通過して、政府や経済界が期待する通りに労働生産性が上るかどうかについては大いに議論の余地がありますが、労働生産性が国際的に低い現実に向き合い、それを上げなければ企業の存続や成長が難しくなることは、現代のように「モノ余りでモノが売れない」時代では明らかです。

日本のホワイトカラーの生産性が低い3つ理由

日本の製造業は、トヨタ自動車の「かんばん方式」や「カイゼン」に代表されるように、生産性や品質向上のための企業努力による実績は世界に知られています。しかし、前述の通り、労働生産性の国際的なランキングではOECD加盟34カ国中で22番目、しかも主要先進7カ国中では最下位であり、サービス業や同じ製造業の事務部門などのホワイトカラーは、時間当たりの生産性が低いことが大きな課題になっています。

その理由として、「経営者がホワイトカラーの生産性に関心を持たなかったこと」、「ホワイトカラーの業務が効果を測定しにくいこと」、「残業代の支給があること」の3つが指摘されています。

3点目の「残業代の支給があること」については、異論がある方も多いかもしれません。確かに、残業代の支給がモチベーションになって、長時間働くことに意義を見出す労働者がいることも否定しきれません。作れば売れる時代には、労働時間の長さに比例して、労働生産性が上った可能性があります。

しかし、現代はモノ余りで簡単には売れない時代だけに、残業をすることは、労働生産性の向上には貢献しないと考えるべきでしょう。

なお、日本の残業を含む総労働時間が多いことは、「データブック国際労働比較2014」の「一人当たり平均年間総実労働時間」の国際比較を見ると分かります。2012年度の自営業を除く1人当たりの総労働時間数は、日本が1765時間で、意外にもアメリカの1798時間よりは少ないものの、イギリスを除くヨーロッパの約1400時間に比べると多くなっています。また、週50時間以上働く労働者の比率は、日本が31.7%なのに対して、欧米は10%以下です。

ホワイトカラーのモラル向上ついて

ホワイトカラー・エグゼンプションの目的を「残業代の減少」として捉えるならば、労働生産性の向上には結びつきませんが、時間当たりの生産性向上には寄与する可能性はあります。

労働生産性を上げるために、有能な人材には、モチベーションを高めて付加価値の高いイノベーションを起こしてもらう必要があります。または、1人あたりの単位時間の仕事量を増やす合理化を進め、人員削減や少数精鋭化を図ることでしか、労働生産性は上げられません。

後者は日本の企業では難しいので、前者を進めていく必要があります。現在は実績を上げた人が昇進する仕組みですが、今後は能力や実績に報いるよりも、部下を育てて、部下のモチベーションを高められるのはもちろん、方針をブレイクダウンして戦術に落とし、チームのベクトルの方向を合わせられる能力に長けた人が昇進するようにしていかなければ、企業全体としての労働生産性は上がらないでしょう。

一方で、一流のトッププレーヤーには、それにふさわしい環境で実績を上げられる場を与えなければなりません。言い古された言葉にある「名選手必ずしも名監督ならず」のように、むしろ実績を上げた人は、過去の成功体験に引っ張られてしまい、変化の激しい時代にはかえってマイナスになりかねません。

また、モチベーションは物質的、金銭的な欲求のみで動くわけではありません。人をよく見て、その人にあったモチベーションやポストを与えなければならなくなるなど、人事制度の見直しを検討する必要性も考えられます。

ホワイトカラー・エグゼンプションにより労働生産性を上げるには、有能な人材のモチベーションをいかに高めるかが課題と言えそうです。

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