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セミナーレポート

人事/労務管理リーダーのための
「ヒューマンキャピタル研究会」第10回

テーマ 「導入済企業と導入検討企業が考えるシェアードサービス提供のあるべき姿」
~システム化とシステム選定のポイント~
日付 2009/12/16
参加者 人事/労務業務の本社集中化やグループ内でのシェアードサービス化を考える企業、または、既にシェアードサービスを導入している企業の人事/労務管理部門のリーダー、マネージャーの方6名
主催 株式会社日立ソリューションズ
ファシリテーター 株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
テーマ
「導入済企業と導入検討企業が考えるシェアードサービス提供のあるべき姿」
~システム化とシステム選定のポイント~
日付
2009/12/16
参加者
人事/労務業務の本社集中化やグループ内でのシェアードサービス化を考える企業、または、既にシェアードサービスを導入している企業の人事/労務管理部門のリーダー、マネージャーの方6名
主催
株式会社日立ソリューションズ
ファシリテーター
株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸

日立ソリューションズでは、人事/労務管理のリーダーの方にお集まりいただき、人事/労務管理に関する互いのナレッジを交換いただく、「ヒューマンキャピタル研究会」を、2008年7月より、定期的に開催しております。

第10回となるこのたびの研究会では、前回に引き続き「あるべき就業管理システムについて考える」をテーマに、「就業管理上の課題を解決するために、システムをどのように活用できるのか」 「就業管理システム、ベンダーはどのように選定するべきか」といった論点について議論いたしました。その模様の一部を本レポートにてお伝えいたします。

就業管理システム導入を検討する背景

研究会では、事前に申込者に対して「就業管理システムの導入/リプレースを検討する背景」について、アンケートを実施した。その回答結果をグラフ化したものが【図1】である。「コンプライアンス対策として労働時間を厳密に管理したい」との回答が最も多く、「手作業による非効率的な作業を改善したい」との回答が次に続く。

アンケートに答えた全員が、コンプライアンス対策の一環として、就業管理システムの導入を検討しているとのことであるが、具体的に詳細を見ていくと、課題は各社によって様々であることがわかった。

カードリーダ導入による残業時間の増加

研究会に参加していたある企業では、シフト制をもとに以前は手書きのタイムカードによって就業管理を行っていた。しかし、手書きのタイムカード記入は煩雑なうえ、計算を間違えてしまう危険性もあり、上長のチェックも複雑となってしまう。そこで、より正確で効率的な就業管理を行うため、この企業では、1年前にカードリーダを設置し、ICカードの打刻を活用するようにしたという。

ところが、これにより、「月間勤務時間が1人あたり20時間以上も増えてしまった」(研究会参加企業)という。

つまり、シフト制で決まっている始業時間ではなく、出社時間が始業開始となることで、出社から始業開始および、終業から退社までの乖離分がすべて給与になってしまっているのだ。

出社時間を客観的に記録することは、サービス残業の発生を監視するために有効であるが、出社時間と始業開始時間には若干の差は発生する。また、仕事がなくても、始業時間の30分前、1時間前に会社に来て、カードさえ打刻してしまえば、その時間から働いたことになってしまうために、人件費の増加の金額もさることながら、このまま就業時間が増加してしまうと、36協定にも抵触する可能性が出てくる。

これを本来の実労働時間に合わせるには、出社・退社時打刻と始業時・終業時打刻という二重の打刻が必要になり、効率化の点ではシステム導入の意味がなくなる。これに対しシステム上はどのような対応が可能なのだろうか。

「シフト表や労働契約から、本来の出社時間のデータが事前に自動的に入力されるように、たとえば、10時出社のシフトであれば、早出出勤でなければ最初から「10時」と出勤時間が入力されるようにしておきます。実際の勤務開始時間が事前データと異なる場合には、後でそのデータを手で修正するようにすることで、管理精度をあげることにより、対策をした事例もあります。」
(日立ソリューションズ アプリケーションシステム本部 リシテアソリューション部 部長 大池 徹氏)。

客観時間をどのようにして把握するか

就業時間を正確に把握するために、出社時間など客観的な時間を把握することは重要である。ただ、前述のように、出社・退社時間と実際の始業や終業時間には若干の差が発生する。この乖離を監視するのがシステムの果たす役割でもある。

カードリーダ自体は高額であるため、拠点や店舗が多い場合には、コスト的にも導入が難しいケースも出てきてしまう。

そこで、企業によっては、たとえば、パソコンやネットワークのログオン/ログオフ時間を客観時間として活用している例もあるという。既存の端末をそのまま活用するため、導入コストも低く抑えることができ、客観性も高めることができる。

もちろん、PCのログオン/ログオフ時間も絶対というわけではない。そのため、この企業では、翌日、従業員が再度就業時間を申請し、そこでPCのオン/オフ時刻と突き合せを行うことで承認をする仕組みを取っており、申請時刻とPCのオン/オフ時刻に一定の乖離が見られる場合には、差が生じた理由の入力を必須とする運用をしているとのことであった。

就業管理システムと入力インターフェース

また、ある企業では、営業職に対する事業場外みなし労働制を採用していたが、この企業では、実際の時間とみなし労働の時間が乖離してしまう可能性を懸念しており、システムの活用も含め、どのような対策が取れるのかを検討していた。

「IT環境の変化によって、就業管理システムに対する要求も変化しており、最近では、営業職の事業場外みなし労働制についても、みなしである必要がないとの指摘もあります。携帯電話の普及やインターネットの発達もあり、社外であったとしても、営業の労働実態を把握することが可能となってきたためです」(日立ソリューションズ 大池 氏)。

実際にこのような考えから、「2年前に営業職の事業場外みなし労働制を廃止した」という企業もあった。

また、携帯電話から大まかな位置情報を取得することができるため、出社せずに別の場所から不正入力した場合にはわかるようにすることも可能とのことであった。

大池氏によれば、就業管理システムの入力インターフェースとして、携帯電話を活用する企業も最近では増えてきているという。「携帯電話をインターフェースとして活用されている例として、QRコードをオフィス内に設置し、出社時にはそのQRコードを読み取る方法を採用されている企業もあります」(日立ソリューションズ 大池 氏)。

就業管理システムを導入する際に、入力インターフェースをどうするかは重要な問題だ。企業によっては、工場や事務部門などさまざまな現場を抱えている。全社を同じ入力インターフェースで統一するには、コスト、環境、リテラシーの問題から難しい場合もある。

先述のように事業場外での就業が多い場合には携帯電話などが有効であり、入力インターフェースとしても汎用性が高い。しかし、全社的に適用しようとするとパケット通信代も多額になる。

大池氏によると、「入力インターフェースを全社で統一して全社一斉にシステムを導入するのではなく、段階的な導入が現実的」ということだ。コンプライアンスの観点からも、段階的な導入で全社のコンプライアンスレベルを計画的に高めていくことが望ましいと言えるだろう。

就業システム/ベンダーを選ぶ基準は?

研究会では、就業システムやベンダーを選ぶ際のポイントについても議論を行った。

まず、就業管理システムについては、研究会に参加していた多くの企業が、人事・給与を中心とする関連システムとの親和性が高いことや、汎用性があり将来の変更に耐えられる柔軟性があることを、システム選定の基準として挙げている。

就業管理システムは、一度導入すればその後の大きなシステム変更は比較的少なく、他の業務システムと比べて長期間使用する傾向があるシステムである。一方で、法改正や就業規則の大きな改変は起きにくいものの、どう変わるのかは現時点では予想がつきにくいため、まずはシステム上の制約がどれだけないかが重要になる。

また、長期間使うことを考えた場合、就業管理システムだけではなく、ベンダーに対しても求められることが見えてくる。

事前アンケートの結果を見ても、研究会に参加していた企業の多くが、将来にわたって安定した保守供給体制を持っていることを、ベンダー選定の基準として重要視していた【図2】

また、研究会では参加者より、「ユーザーが何をしたいのかを的確に理解しているベンダーが良い」との意見が挙げられた。

そのためには、人事の業務をよく理解したベンダーを選ぶことが重要であるとの意見が大勢を占めた。就業管理システムの要件には、人事の制度や施策をどう反映・実現するか、という視点が大きく影響する。それを一緒に考え、企業の人事・労務担当者のビジョンを実現する力が、ベンダーにも求められているのだ。

就業管理システムの導入は、適正な就業管理という人事施策そのものの成否を左右するプロジェクトと言えるであろう。

(文責:株式会社ナレッジサイン 森 天都平)

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