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セミナーレポート

「今、すぐそこ、未来、のワークスタイル変革を考えるワークショップ」 第2回
~ ”いつでもどこでも仕事ができる”を実現する ~
フリーワークスタイル導入を成功させるために必要なしくみとは?

日付 2017/02/23
参加者 ワークスタイル変革に携わる企業の人事部門リーダー 7社/7名
ファシリテーター 株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
日付
2017/02/23
参加者
ワークスタイル変革に携わる企業の人事部門リーダー 7社/7名
ファシリテーター
株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸

2016年12月よりスタートした人事イノベーションワークショップ。「今、すぐそこ、未来、のワークスタイル変革を考えるワークショップ」では、ワークスタイル変革の波を受けて、これからの働き方における変化に対して

  • 今:今すぐなすべきことは何か
  • すぐそこ:2~3年先に向けて今から取り組むべきことは何か
  • 未来:10年後を見据えて中長期で考えるべきことは何か

また、それらを実現するために必要なしくみやツールをどう整備するかを、さまざまな企業の人事リーダーの方々と、1年間をかけて議論していきます。

2017年2月23日に開催された第1回では、在宅勤務やサテライトオフィスなど、時間と場所の制約をなくしたフリーワークスタイルの導入について議論しました。

T&L(タイム&ロケーションフリー)のワークスタイル

今回のワークショップでは、主催者である日立ソリューションズのT&L(タイム&ロケーションフリー)のワークスタイルが紹介されました。
同社では、主任クラス以上3000名を対象に在宅勤務とサテライトオフィス勤務、裁量労働を軸としたT&L(タイム&ロケーションフリー)のワークスタイルを導入しています。

ワークショップでは実際にこの制度を利用している営業やSE職の方に、ユーザー目線で、制度利用の実態を語ってもらいました。
まず、営業職が積極的に利用するのがサテライトオフィスです。現在は東京都内だけですが、山手線沿線を中心に20拠点のサテライトオフィスが利用可能となっています。営業として都内を移動する際に、どこか近くのサテライトオフィスで仕事ができる環境です。
サテライトオフィスを利用することによって、自社オフィスに帰ることなく、すき間時間を使って事務作業をすることができますので、顧客への訪問と事務作業の両方をこなさないといけない営業にとっては便利なしくみです。

実際に利用している営業職の方の話では、サテライトオフィス導入前は、夕方自社オフィスに帰って仕事をすることで残業になることが通常でしたが、サテライトオフィスの利用で、営業先から直帰できることも多くなり、全体の労働時間が短くなったということです。
サテライトオフィスで簡単に仕事ができてしまうため、文字通りすき間時間はなくなり、”仕事し過ぎ”的な感覚はあるものの、実際の労働時間は短くなっているため、仕事の密度が高くなっているということの裏返しでもあります。

一方、在宅勤務制度を利用しているSE職の方の話では、在宅勤務導入前と後で、実際の労働時間は変わっていないものの、在宅が必要な時間帯に確実に在宅できることで、家族および自分の負担が大きく減ったことをメリットとして挙げていました。
このSE職の方は、奥様も同社で勤務しており、未就学児のお子さんがいます。これまでは、会社で夕食を摂った後に8時ごろまで会社で仕事をすることが多く、保育園への子供の迎えや夕食の準備を、時短勤務を利用している奥様にすべてまかせる状態だったのですが、自身が在宅勤務を利用することで、夕方の早い時間に自宅に戻り、子供の世話をしてから自宅で仕事をすることが可能となり、夫婦ともに仕事と生活のバランスをうまく取りながら仕事ができるようになりました。

フリーワークスタイルの導入とその成果

ワークショップ参加企業に、現在導入しているT&L(タイム&ロケーションフリー)の制度についてお聞きしました【図1】。

もっとも多いのがフレックスタイム制で、今後導入する予定の制度としては、在宅勤務制度がもっとも多いものでした。
フレックスタイムは、多くの企業で定着しています。一方でコアタイムも10:00~16:00の時間帯が圧倒的に多く、始業時間が遅くなり、終業時間はこれまでとあまり変わらないという運用実態が多いようです。
たとえば、前日に夜遅くまで仕事をした翌日は午後からの出社でも可という運用が従業員にとっては理想的ですが、コアタイムを12:00以降にするのは、なかなか社内での抵抗が多いようです。
そんな中、今後コアタイムを一切排して、月内の所定の労働時間を満たせば、どの時間帯に勤務しても良いという、フルフレックスタイム制度を導入する予定の企業もありました。

また、これらの制度導入の成果ですが、一番は、「ワークライフバランスの面で、従業員の満足度が上がった」となっており、それに伴い、「残業時間が削減された」という効果も出ているようです【図2】。
ワークライフバランスというときに、仕事時間が減り、自分のプライベート時間が増えたという点でのバランスの変化もありますが、前述のSE職の例のように、自分のプライベート時間を優先した仕事時間の設計が柔軟にできるという点も大きいようです。

制度の導入だけでなく、運用のしかけをどう設計するか

フリーワークスタイルを導入する際に重要なことは、目的と成果をどう定義するか、そして、運用をどう設計するかです。
本ワークショップの前身となるヒューマンキャピタル研究会では、数年前から在宅勤務制度などについて議論してきましたが(ワークスタイル変革についての過去のワークショップレポートはこちら)、数年前は、労働時間の削減や生産性の向上といった直接的な効果を目的とした導入が多かった印象ですが、今回のワークショップ参加企業にフリーワークスタイル導入の背景をお聞きすると、従業員の自律性を尊重し、柔軟なワークスタイルを提供すること自体が時代の流れであり、これからのあるべき働き方であるという意識が強いようです。

何より多様性という観点では、柔軟なワークスタイルを導入することで、これまで仕事を続けることが難しかった人材が活躍する機会を得ることができ、より多様な人材を活用できるようになったことが大きいと言えます。
このような柔軟な働き方お制度導入でよく課題になるのが、「制度を享受できない人材にとっての不公平感が募る」というものですが、
「10~20%の社員に利益があるのならやってみようと判断で導入しました。」(ワークショップ参加者)
という声もあるように、そのような制度によって活躍のフィールドが広がる人材をいかに増やしていくか、という足し算の発想も必要です。

多様な働き方を提供する制度というのは、全従業員を対象としたものであっても、給与制度のように、全従業員に自動的に適用されるものではありません。制度としては利用可能であっても、利用の度合いは、職場や個人、特にマネージャーのマネジメントによって大きく異なります。
ですから、人事部部門は制度を設計するだけでなく、積極的に促進・定着させるための仕掛けを考える必要があります。人事部門の仕事として、大きく制度の設計と運用がありますが、ワークスタイル変革は、運用の仕掛けが成否を握ります。

ワークスタイル変革はこれからの人事部門にとって大きなミッションとなっています。と同時に、制度を定着させるための運用の仕掛けを考え、実行していく能力が、これからの人事部に求められるもっとも重要な要素となるでしょう。

(文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡 英幸)

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を総括版として資料にまとめました。