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セミナーレポート

「人財DB導入だけで終わらせない、
タレントマネジメント3ヶ年ビジョンの描き方」第1回

日付 2014/10/28
参加者 タレントマネジメントが重要なテーマになっている企業の人事/労務管理部門のリーダー、マネージャーの方 計5名
主催 株式会社日立ソリューションズ
ファシリテーター 株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
日付
2014/10/28
参加者
タレントマネジメントが重要なテーマになっている企業の人事/労務管理部門のリーダー、マネージャーの方 計5名
主催
株式会社日立ソリューションズ
ファシリテーター
株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸

人財データベースのロードマップ

タレントマネジメントの取組みの一つとして核になる人財データベース(以下人財DB)づくりだが、今回のワークショップでは、ひとまず導入することで終わるのではなく、どのように定着させ、本来の目的を達成するものにするのか、ロードマップの描き方を議論した。
人財DB導入に際して明確にすべき事項は大きく以下の5点となる

  • 人財DB導入の目的
  • 主な活用者/活用シーン
  • 必要なデータ
  • 人財DB導入に伴って必要な仕組み/指標
  • 活用の定着方法

今回ワークショップに参加した企業の人財DB導入の目的で共通するのは「適正な人財配置」であったが、その配置の考え方は各社で異なり、大きく分けると以下の3つとなる

  • 新しいコンピテンシーにもとづく人財配置の促進
  • 客観的な根拠による人財配置の促進
  • 自己申告を軸とした人財配置の促進

人財DB導入の目的① 
新しいコンピテンシーにもとづく人財配置の促進

企業のビジネスモデルの変化に伴い、人財のコンピテンシーも変わってくる。ワークショップに参加するある企業は、大きな業態転換期にさしかかっていた。これまでのフィールドをベースにしながらも、「どこでおカネを稼ぐか」という収益モデルが大きく変わろうとしているのだ。
人財に求められるコンピテンシーも変わってくる。知識分野では同じながらも、実際に求められるパフォーマンスの方向が変わってくるので、これまでとは違った物差しで人財を評価することが必要になってくる。
こういうケースでは、これまでの人事考課の履歴や、マネージャー層のアタマの中にある人財評価のデータをもとに人財配置をしていては、ミスマッチが起きてしまう。新しいコンピテンシーに合わせたスキル評価指標を策定し、それにもとづく人財DBを作ることで、人財のスキルを見える化しながら適正配置することが喫緊の課題となっている。

人財DB導入の目的② 
客観的な根拠による人財配置の促進

ある企業では、人事権は役員クラスが握り、各役員がすべての人事異動を決めていた。何をもとに評価するかは、各役員の主観的な物差しによるところが大きかった。役員の個人的な好みや、接点があるかないかによって、人事が決まってしまう。言ってみれば役員の「勘」で人事が決まるのだ。
それでは、偏よった人財配置になってしまうし、従業員にとっても、自分の適正を生かせるチャンスが少なくなってしまう。
この企業では、もっと広い人財リソースの中から、客観的な理由をもとに配置を意思決定させる必要があると考え、人事部主導で人財DBを導入した。

人財DB導入の目的③ 
自己申告を軸とした人財配置の促進

ある企業では、自己申告制度を導入しており、全社員が自分の異動希望を出せるようになっているが、従業員の中に自己申告に対する不満感が大きくなっていた。企業の人事において全社員の自己申告希望に応えることは不可能だが、できるだけ機会を多くすること、公平に機会が与えられていることを認識できることが重要である。
この企業では、自己申告の自己アピールをできやすいように、人財配置をするマネージャーがそれを活用しやすいように人財DBを導入した。

入力者、活用者によって活用できる情報も異なる

人財DBは目的によって以下のように、入力者と活用者が異なってくる。人事考課や評価情報などを入力できるのはマネージャー層に限られるが、自己申告情報などは従業員自身となる。活用者が何を見たいのか。入力者がどんな情報を入力できるのか。この関係性で、活用できる情報も絞られてくる。

目的 入力者 活用者
①新しいコンピテンシーでの人財配置 マネージャー層 マネージャー層
②客観的な根拠での人財配置 マネージャー層、人事部門 役員、人事部
③自己申告を軸とした人財配置 従業員 従業員、マネージャー

活用シーンと活用の定着方法

人財DB導入では、活用シーンを具体的にイメージし、導入後活用しやすいものにすることが必要だ。
ある企業では、経営層がいろいろな分析をできるために人財DBを導入したが、経営層のITリテラシーが大きな課題になっている。「この帳票を出してくれ」と人事部が役員に呼び出されることもしばしばだ。

また、客観的な根拠をもとにした人財配置を目的に人財DBをは導入した企業では、それを活用するかどうかは役員の判断にまかされている。人事部門が役員に命令するわけにはいかない。
相変わらず自分の勘に頼った人事異動にこだわる役員にとっては、人財DBの利用は、自分のやり方の否定になりかねない。
だから、役員にとって便利なものというイメージづけが必要だ。この企業では、比較的活用している役員の利用の仕方などを事例に、人財DBの活用説明会を開き、活用を啓蒙しようとしている。

経営者とタレントマネジメント戦略をすり合わせる

人財DB導入において、活用のための人事部のさまざまな工夫は必要だが、本来であれば、経営者の号令のもと、全社一体となってタレントマネジメント戦略が遂行されるべきものだが、実態はそうもいっていない。
人財DB導入時には、経営もある程度コミットして、目的を明確化しているはずなのだが、どうも導入段階になると、人財DB導入プロジェクトが独り歩きし、本来の経営価値がなんだったのか、経営者自身も忘れかけているようだ。
人財DB導入を機に、全社のタレントマネジメント戦略をどのように行いたいのか、経営者とタレントマネジメント戦略をすり合わせることが必要だ。そのためには、人事部門として、経営的な視点に立って、全社のタレントマネジメント戦略とはどうあるべきか、そのロードマップづくりをしていくことが重要だ。

(文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡 英幸)

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